Wi-Fi 7 とは
Wi-Fi 7とは
1990年代後半に、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers:米国電気電子学会)が最初のWi-Fi規格であるIEEE 802.11bを策定し、広く受け入れられるようになりました。それ以来、2.4GHz帯から2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯のいずれかで動作するように拡張するなど、進化を続けています。 2018年、Wi-Fiの普及と進化を促進している業界団体Wi-Fi Allianceは、Wi-Fi規格の名称をわかりやすくするため、Wi-Fiの世代を表す表記に変更しました。IEEE 802.n は「Wi-Fi 4」、IEEE 802.11ac は「Wi-Fi 5」、IEEE 802.11ax は「Wi-Fi 6」と表記されます。
Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)は、1997年に初めて標準化された802.11規格の第7世代(7番目)の規格です。従来規格の利点をすべて詰め込み、320MHzの帯域幅や4K-QAM(4096-QAM)など、いくつかの既存の規格をまったく新しいレベルに拡張します。また、MLO(Multi-Link Operation:マルチリンクオペレーション)やMRU(Multiple Resource Units:Multi-RU)、パンクチャリングといった革新的な機能も導入されています。Wi-Fiは現代の仕事や日常生活に欠かせないものとなっており、Wi-Fi 7は未来への大きな飛躍とともに、あなたのWi-Fi体験を一新します。
本頁では、Wi-Fi 7の主な機能についてご説明します。実際の仕様および利用可能な機能は製品によって異なります。詳しくは、お使いの製品の製品ページ(スペック)でご確認ください。
Wi-Fi 7 と Wi-Fi 6 の違い
Wi-Fi 7 の正式な規格名は、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE) 802.11beです。
Wi-Fi 6 は別名「HE(High Efficiency:高効率無線LAN)」とも呼ばれており、Wi-Fi 7 は別名「EHT(Extremely High Throughput:極めて高いスループット)」と呼ばれています。Wi-Fi 7 の前進である Wi-Fi 6E は2021年に策定され、実測値2,000mbpsを超えるワイヤレス通信速度能力は、多くのユーザーを驚かせました。
3つの周波数帯域幅(2.4GHz、5GHz、6GHz)、超広帯域データチャンネル、複数のデータチャンネルを統合することで、さらに優れたパフォーマンスを実現します。Wi-Fi 7 は、有線接続を時代遅れにするような接続性と信頼性の新しい時代を切り開く可能性を秘めています。
Wi-Fi 6 と比較して、Wi-Fi 7 は次のような機能の強化が期待されています。
Wi-Fi 7 の主な機能
320MHz チャンネル
Wi-Fi 6E では、Wi-Fi通信で利用できるチャンネル帯域幅が160MHzに拡大されました。Wi-Fi 7 では 6GHz チャンネルの帯域幅が Wi-Fi 6E の2倍となる 320MHz に拡大され、従来に比べて2倍の通信速度を実現できるようになりました。
例えば、ワイヤレスチャンネルの帯域幅を高速道路と仮定すると、Wi-Fi 7 では高速道路のレーンが2倍に増え、同時により多くの車が走行できるようになります。つまり、従来よりも大容量の通信が可能となりました。
*日本国内における各種通信機能は日本の法律に基づいて提供されます。各製品の使用については、お使いの製品の製造元にお問い合わせください。
4K-QAM
4K-QAM変調方式では、各シンボルで12bitの情報を伝送できるようになり、従来のWi-Fi 6/6E の1K QAM変調方式(10bit)と比較して伝送速度が約 20% 向上しました。1回の変調(シンボル)に割り当てるビット数が多いほど伝送容量が増え、より高い伝送効率をもたらします。
4K-QAM変調方式を使用することで、より多くのデータを同時にアップロード/ダウンロードできるようになります。つまり、動画の視聴、ライブ配信、オンラインゲームなどのストリーミングパフォーマンスを向上させることができるでしょう。
MLO(Multi-Link Operation:マルチリンクオペレーション)
従来のWi-Fiでは、各機器の通信は2.4GHz/5GHz/6GHzのいずれか1つの周波数帯域のみを割り当て通信を行うことができました。Wi-Fi 7 の MLO(Multi-Link Operation:マルチリンクオペレーション)では、対応する機器で複数の周波数帯域を割り当てることができるようになりました。複数の帯域で信頼性の高いWi-Fi接続を使用して帯域幅を集約することで、より高速で、遅延の少ない通信を可能にします。
*Simultaneous MLOはSTR(Simultaneous Transmit and Receive)モードを意味しています。 Alternating MLOはEMLSR(Enhanced Multi-Link Single Radio)モードを意味しています。
単一STAへのMRU(Multiple RU)とプリアンブルパンクチャリング(Preamble Puncturing)
従来のWi-Fiでは、各ユーザーは割り当てられたリソースユニット(RU)でのみ通信することができました。この仕様により、ワイヤレスチャンネル全体が1台の接続デバイスによって占有される可能性がありました。Wi-Fi 7 では、Multiple RU プリアンブルパンクチャリングにより1ユーザーに複数リソースユニット(RU)の割り当てが可能となり、伝送効率を向上させることがでるようになりました。
16×16 MU-MIMO
MU-MIMO(Multi-User Multiple Input, Multiple Output) とは、複数のアンテナと送受信機を使い、複数の機器と並列に通信する技術です。16×16 MU-MIMO により Wi-Fi 7 は Wi-Fi 6/6E と比較して空間ストリーム数が2倍となり、最大16台の機器での同時通信が可能となりました。
*16×16 MU-MIMO は Wi-Fi 7 の最高技術基準です。Wi-Fi 7 機器のすべてで必須の機能ではありません。
Wi-Fi 7 の詳細およびWi-Fi 7 対応製品について、詳しくは当社ウェブサイトをご覧ください。