学びやすさの向上と校務DXを革新、荒川区（東京都）がGIGAスクール構想第2期に選定したASUS Chromebook／荒川区教育委員会・荒川区立尾久八幡中学校

GIGAスクール構想以前からICT教育を推進してきた荒川区は、2013年度に生徒用端末を導入し、2019年度に一度目の更新を行った。そして今回、2025年度から予定されている生徒用端末の再更新に向け、同区が3世代目として選定した端末がASUSのChromebookである。教員用端末にはよりハイスペックなASUS ExpertBook CX54 Chromebook Plus(CX5403)を選定した。期待する効果や活用の展望など、荒川区教育委員会 事務局 学務課 教育事業担当係長 柳生光彦氏と荒川区立尾久八幡中学校 渡邉 洋津幾 主任教諭に話を伺った。

【荒川区教育委員会】

OSのアップデートによる起動や動作の遅れは、教育現場のITデバイスの使用において大きな課題

ICT教育の導入によって、子どもたちはインターネットを活用して教材にアクセスできるようになり、個々の学習スタイルに応じた最適な学びと協働的な学習が一層促進されたと柳生氏は振り返る。

一方で、生徒用端末のOSはアップデートを重ねるたびに起動や動作がどうしても遅くなるという課題があった。これを解消し、子どもたちがより快適に学習に取り組める環境を整えるためにはChrome OSが最適であると判断した。さらに、荒川区では2020年度から小中学校にGoogle Workspace for Educationを学習支援ツールとして導入しており、その高い親和性からも、Chrome OSの採用が最も適していると考えたという。

荒川区教育委員会 事務局 学務課 教育事業担当係長 柳生光彦氏

軽量で持ち運びが容易なASUS のChromebookは、子どもたちの学びやすさを一層向上させる

荒川区が生徒用に選定した端末はASUS Chromebook CM30 Detachable (CM3001)。

「ASUSのChromebookは荒川区のニーズにぴったりの軽量で持ち運びしやすい端末です。さらに、eSIMに対応しており、LTE回線を利用してどこでもインターネットにアクセスできます」。

生徒用端末のASUS Chromebook CM30 Detachable (CM3001)（軽量で快適な動作を実現し、LTE回線にも対応）

GIGAスクール構想の第1期では、全国の学校でネットワークの不具合が頻繁に取り上げられた。荒川区では第2期に合わせて校内ネットワークの更新も行う。柳生氏は、学校内外を問わずどこにいても快適に学習できる環境を整えることが重要であり、生徒用端末にLTE回線を活用することは子どもたちの学びに役立つと考えていると話す。

ASUSの独自プログラムである「あんしん保証」も選定の重要な要素

選定にあたり、さまざまな情報を収集したという。ASUSのChromebookは米国軍用規格に基づいた高い堅牢性を誇るが、生徒たちの日常使用においては、故障や紛失のリスクも考慮する必要がある。「ASUSのChromebookは故障率が低く、バッテリーの持ちも優れているため、以前の端末よりも長期間使用できると実感しています。ただし、今後5年間の使用に伴いバッテリーの劣化は避けられません。そのため、ASUSからバッテリー交換が可能なプランを提供していただけることが選定の重要な要素となりました」。子どもたちの学びを継続的に支え、端末の運用面でも安心できる手厚い保障は、非常に重要なポイントと言える。

ASUSのあんしん保証

GIGAスクール構想第2期を見据えたASUSのChromebookは、故障の原因に関わらず最長6年間の修理が受けられる「ASUSのあんしん保証」に対応しており、教育機関でも安心して使用できる。「ASUSのあんしん保証」には無料サービス、有料サービス、法人向けサービスが用意されており、それぞれのプランにはサービスの有効期間や対応回数、故障時の負担金などが異なる多様な選択肢が用意されている。

教員に対してはハイスペックな端末を提供し、働きやすい環境を整えることが重要

教員の働き方改革は喫緊の課題であり、その実現には高スペックな端末の導入が不可欠だった。「ASUSのChromebook Plusは、高性能なCPUと大容量のストレージ、メモリを備えており、教員の業務効率化に大いに貢献すると考えています」。従来のノートPCと比較して、この機種は起動や動作の速度が格段に向上しており、作業のしやすさを感じているという。

教職員用端末のASUS ExpertBook CX54 Chromebook Plus Enterprise (CX5403)（インテル Core Ultra 5、SSDストレージ128GB、メモリ8G搭載）

さらに、クラウド上に校務環境を構築することで、教員が職員室だけではなく、教室や自宅からも必要な情報にアクセスできるよう一新した。

端末やネットワークが整備されていても、教育現場によってはその活用が進まないこともある。柳生氏は、子どもたちがいつでもどこでも学べる環境と、教員が働きやすい環境を整えることが重要だと語る。インフラを見直し、ICTをより使いやすい環境にすることで、子どもたちにも教員にもICTを効果的に活用してほしいと期待を寄せる。

【荒川区立尾久八幡中学校】

鮮やかな画面表示が生徒に高く好評され、視認性の向上が学びの助けに

荒川区の北西部に位置する区立尾久八幡中学校では、2025年度から運用開始予定の生徒用端末、ASUS Chromebook CM30 Detachable (CM3001)への切り替えに向けて、一部の生徒が現在この機種を試用している。

荒川区尾久八幡中学校

同校の渡邉主任教諭は、生徒の反応について「画面の美しさにとても喜んでいます」と語る。「写真が鮮明でわかりやすいだけでなく、文字も明るく見えるため、特に文字認識が苦手な生徒にとっても画面の見やすさは学びのサポートになると思います」。さらに、端末は軽量でコンパクトなため、教科書などで普段から荷物が重い生徒たちにも好評だという。

荒川区尾久八幡中学校 渡邉 洋津幾 主任教諭

起動の速さも生徒たちに高く評価されている。ASUSのChromebookは、画面を開くだけで電源が入り、瞬時に起動。また、起動後すぐにGoogleアカウントのログイン画面が表示されるため、ユーザーは一度のログインで複数のアプリやシステムに簡単にアクセスできて手間がかからず、セキュリティ面でも安心だ。

キーボードの着脱可能で理科の授業にも便利

ASUS Chromebook CM30 Detachable (CM3001)は、画面とキーボードを自由に取り外せる端末で、用途に応じてノートPCとしてもタブレットとしても自在に切り替えて使用できる。これにより、学習スタイルやシーンに合わせた柔軟な使い方が可能となる。

「理科では、中学1年生の生物の単元において、花や葉の構造を学ぶ機会があります。身近なものを撮影する際、ASUSのChromebookは着脱式のデタッチャブルデザインを採用しているため、画面を取り外してカメラとして活用することができます。外で自分が見つけた植物を撮影し、教室に戻ってからその写真データをGoogle Classroomにアップロードして共有する授業でとても便利に活用しています」。

これまでの端末は、外から校内に戻るとWi-Fiの接続が途切れてしまうことがたびたびあり、その結果、ネットワークに接続できず再起動を余儀なくされることがあったという。しかし、「ASUSのChromebookはWi-Fiの接続が非常に良好なので、外から校内に戻った際にもデータをスムーズにアップロードできるようになりました」。学びを妨げることのない授業展開が実現できている様子だ。

キーボードを取り外してタブレットとしてカメラを利用する生徒たち

ASUS Chromebook CM30 Detachable (CM3001)を活用して、委員会の活動報告をまとめる生徒たち

Chromebook Plusで実現する快適な働き方

生徒に先駆けて、教員はASUS ExpertBook CX54 Chromebook Plus Enterprise (CX5403) の運用を2024年9月から開始している。渡邉主任教諭は、「指紋認証で画面ロックを簡単に解除できるため、とても便利です」とその使いやすさを語る。これまでの端末では、画面ロックがかかるたびにパスワードを入力しなければならず、その手間が負担になっていた。

高性能なこの機種について、渡邉主任教諭は動作の速さにも注目する。ASUS ExpertBook CX54 Chromebook Plus Enterprise (CX5403)は、インテル Core Ultra 5プロセッサー 115Uを搭載し、ストレージは128GB、メモリは8GBを備えているため、大容量データの処理も迅速に行うことができる。「教員は、生徒の学習に使用するプラットフォームやリモートデスクトップも同時に動かします。かなりCPUに負担がかかる作業でも、Chromebook Plusでは全くストレスを感じません」。

前述のとおり、Chromebook Plusの導入により、クラウド上に校務環境が構築され、新たな業務体制が実現した。これまでは職員室にある特定の端末でないと校務に必要な情報にアクセスできなかったが、Chromebook Plusの導入によってリモートデスクトップの利用が可能となった。場所を選ばない教員の柔軟な働き方が促進され、より快適な校務のデジタルトランスフォーメーションが進展している。

【荒川区尾久八幡中学校 中学3年生】

充電を忘れてもバッテリーが長持ちで嬉しい

ASUS Chromebook CM30 Detachable (CM3001) の魅力について、中学3年生のAさんも「起動の速さ」や「バッテリーの持ち」を最も重要なポイントとして挙げる。

「授業の直前に急いで起動することもありますが、その迅速さには本当に感謝しています（笑）。以前の端末では学年や組、名前を選んで立ち上げる必要がありましたが、この端末はパスワード入力だけでとても簡単です。私は充電を忘れがちなのですが、それでも6時間目まで使えることが多いです。場合によっては3日間持つこともあります。教室移動が多いのでシャットダウンを忘れることもあるのですが、バッテリーが長持ちするのはとても嬉しいです」。

荒川区尾久八幡中学校 中学生3年生 Aさん

また、軽量でコンパクトなCM3001は、鞄にすっきり収まり、手持ちでも運びやすいという。端末を落下させてしまうこともあるが、これまで故障は一切なく、その頑丈さには大いに安心感があると感想を語る。

学校のさまざまな活動で活用できる手放したくない一台

理科の授業で図を描く際にスタイラスペンを頻繁に活用しているAさんは、「友だちと内容を共有しやすくてとても便利です」と話す。CM3001には自然な書き心地の高精細USIスタイラスペンが搭載されており、本体に収納することが可能。収納時には自動的に急速充電される（15秒の充電で約45分間使用できる）ため、使いたい時にすぐに取り出して使用できる。以前の端末にもペンは付属していたが、その形状に扱いづらさがあったという。「今はスムーズに取り出せるので、気軽に描けてとても気に入っています」。

ASUS Chromebook CM30 Detachable (CM3001)は、スタイラスペンを標準搭載

自宅に端末を持ち帰って活用する場面も多いAさん。宿題のほか、生徒会に所属しているため委員会の作業にも取り組んでいるという。「委員会では特に原稿作成に使用しています。また、部活では自分が参加できる日を入力するなど、みんなと情報共有するのにも役立っています」。

周囲の生徒たちも「もうずっとこれがいい」とCM3001には好印象を持っており、早くも手放したくない様子だと話す。

今以上にICTを活用できるように

日常的にGoogle Workspace for Educationを活用し、授業の連絡や課題の出題・回収、その他さまざまな学校活動を行っている同校。渡邉主任教諭は、ASUSのChromebookによって、オンラインでのやり取りがよりストレスなく進められるようになると思うと期待する。そして、今以上に文房具と同じように生徒たちがICTを活用できるようになってほしいと願いを語る。

現在、多くの自治体が端末の切り替えを検討している。渡邉主任教諭は、「現場では最初から完璧な状態を求められることが多いかもしれませんが、まずは試行して、そのサイクルを回していくことで校内全体に知見が集まり、ICTのスキルやリテラシーも高まっていくと思います」とトライ＆エラーの大切さを語る。

GIGAスクール構想第2期を迎え、新たにASUSのChromebookと歩み始める荒川区。生徒にとっての学びやすさと教員にとっての働きやすさを改革し、ICT教育の充実をこれからも一層追求していく。