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本物に触れて磨くクリエイティブ力、夏期講習でASUS ExpertBookで3Dデザインに挑戦/大妻中学高等学校(後編)


【関連】本物に触れて磨くクリエイティブ力、夏期講習でASUS ExpertBookで3Dデザインに挑戦/大妻中学高等学校(前編) 本文はこちら


ゼロからの3Dデザイン制作

講座タイトル「Fusion 360 モデリング 2023年版 ミニチュアを創ろう」のとおり、生徒たちは3D CADソフト「Fuison 360」を使って「ミニチュア」づくりに挑戦した。直径6.5cmのカプセルトイを参考に、このカプセルに入るサイズのミニチュアにすることを目標に設定。アイディアは自由だ。「ミニチュア」というテーマが生徒たちの知的好奇心をくすぐっているようだった。

ゼロからの3Dデザイン制作

今回の創作で学ぶ3Dデザインの具体的な方法は「①スケッチからの立体化(押し出し)」と「②スカルプトモデリング(粘土細工)」の2種類。押し出しの手法は簡単で、手間はかかるが細かいものも作ることができる。粘土細工は中級者向けで、有機形状が得意だという。どのコマンドでどのような操作ができるか講師からの説明を聞きながら、一つずつ実践に移っていく。

ゼロからの3Dデザイン制作

試行錯誤もありながら、ゼロからのデザイン制作の工程に没頭する生徒たち。桑原教諭は進捗を確認しつつ、操作につまずいている生徒のサポートに徹していた。工程が進み、物体の形状が浮かび上がる段階になると生徒たちの表情が明るくなってきた。レンダリングにより表面の質感や光沢が入ると、リアルな仕上がりのイメージができあがった。

ゼロからの3Dデザイン制作
ゼロからの3Dデザイン制作

端末は用途によって柔軟に使い分け

同講座で活用した端末は、生徒が所有しているタブレットPCではなく、学校が用意したASUS製品の Windows ノートPCおよび Chromebook(19台)他など合計30台。生徒はこれらの端末を選択して講座に臨むスタイルになっていた。「Fusion 360」の対応OSは Windows とmacOSであるが、学生や教員のユーザーは Chromebook からWindows PCにアクセスすることができるため、Chromebook も活用が可能となっている。

各生徒の所有端末を使用しない理由は、昨年は、生徒の所有端末を利用したというが、動作が重くさすがに厳しかったため、今回はアプリケーションのインストールに対応できるだけの十分なスペックのある端末を学校が用意した。

端末は用途によって柔軟に使い分け

同校ではその時々に応じて端末にかかる負荷など考慮しながら、適したICT環境を柔軟に使い分けている。中でも今回活用した端末のうち、ASUS ExpertBook B1 B1500CEAEは性能が高くソフトのインストールもラクであり、本当にすんなりと使えていると使用感を語る桑原教諭。「安定していて動作が早いです。大量のデータを扱うこともしたいので、そこをサクサクできる良さを感じます」と高く評価する。

今こそ有効活用したいコンピュータ室

今回の講座はコンピュータ室で実施されたが、同校では「情報」の授業を日頃からコンピュータ室で行っている。机が自由に動かせるため、必要に応じてグループになったり、講義の際には前方に向いたりと授業に合わせて自在に学べるメリットがあるのだという。

今こそ有効活用したいコンピュータ室

その他にも、特別な学びのためには1人1台端末の他にハイスペックな端末を整備し、それらの活用の場としてコンピュータ室を有効活用できることも挙げられる。

1人1台端末が普及した現在、学校によってはコンピュータ室(PC教室)を別の用途の部屋にしたり撤廃したりするケースもある。その流れを受け、文部科学省からはPC教室の役割を見直し、活用を促す通知が出されている。「そうあるべきだと感じている」という桑原教諭。「普段使いとICTに特化した内容を学ぶ際と環境を少し色分けする。そのためにもコンピュータ室を役立てたい」との思いがあるという。端末もコンピュータ室も学校として整備するべき大切なICT環境という考えだ。

生徒の将来を最優先した教育づくり

今後の目標は、「“道具”はある。あとは自分でどう使いたいか、どんなものを作りたいかを見つけたり創造したりできる力」を育みたいという。

「こういうことができるんだったら、こんなことができるんじゃないかと気づいてほしい。自分なりのアイディアを無理やりではなくて。全ての授業で言えることですが、道具はある、じゃあどうしようかと。何かに取りかかる時に『あれを使ってみよう』と発想できることが一番です。わからなければ自分で調べて方法を見出していけば、1から10を教えなくてもできます。でも、今回のようなアプリケーションがあることすら知らなければ、3Dデザインすることもしないでしょう」。

生徒の将来を最優先した教育づくり

桑原教諭には夢がある。ICTルームのような、小さくていいので最先端のことができるICTに特化したスペースの設置だ。「そういうのが大好きな生徒たちがいるので、夢ですね」。学校として生徒たちにチャンスを届けたいのだという。

ハイスペックな端末やICT機器は個人で所有する限界もある。しかし、自分で所有できなくても学校に行けば使うことができるという環境整備。そして、そういうICT機器こそ扱える生徒になってほしいとの願いもある。

社会で活躍できる場を目指して

講座に参加した生徒に話を聞いた。自身は「ICT同好会」に所属しているという。「3Dは医療にも海洋生物の研究にもあらゆる分野で役立っています。講座に参加したのは自分への投資でもあります。将来のために学んでおくことが大切だと考えました」と迷いのないコメントが返ってきた。自分と社会のために身につけておきたい知識として、今を選択している姿が印象的だ。

社会で活躍できる場を目指して

デザインやプログラミングなどのクリエイティブを切り口に、生徒の興味関心とそれを実行するベクトルが確実に同じ方向に向き始めている様子の同校。「男女区別なく活躍できる場所が社会にはあります。ICTをどんどん活用して、いろいろな分野で頑張ってほしい」と桑原教諭もエールと贈る。“世界に羽ばたき生涯にわたって世界で活躍できる女性”という教育ビジョンそのものだ。

時代の動向に即したICT教育が求められる現代。学びのレベルに相応しいICT環境は、生徒のこれからの可能性に大きな影響を及ぼすと言える。端末の選定もコンピュータ室の利活用も進化と真価が問われている中、同校のICT教育はこの先もますます発展を遂げていきそうだ。

(前編はこちら)


大妻中学高等学校
  • お客様プロフィール
  • 学校名: 大妻中学高等学校
  • 住所: 東京都千代田区三番町12
  • 業種: 中等・高等教育