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    近年のコンピューター処理能力の劇的な向上に伴い、人工知能、ディープラーニング、ビッグデータ技術がより成熟してきています。こうしたコンピューティングの進歩により、科学者はこれまで解決できなかった問題を解決することが可能になりましたが、それでも複雑な科学的問題は多く残っています。その1つが、自然災害の正確な予測です。

    台湾の国立成功大学(NCKU)の地球科学科は、自然災害予測に積極的に取り組んでおり、3D全波形地震トモグラフィープロジェクト用に2台のASUS RS720Q-E8サーバーと1台のASUS RS520-E8ストレージサーバーを使用して高性能コンピューティング(HPC)プラット フォームを構築しました。これにより、台湾はより包括的な防災システムを確立することができます。

    1931年に設立されたNCKUは台湾で最も優れた国立大学の1つです。近年、地球科学部は、教員の専門分野と社会の要求を鑑みて、鉱物科学、天然資源、地球環境の3つを主要分野に定めました。



    台湾は地球最大の地震帯のひとつに位置しているため、長年にわたり地震による深刻な被害を受けてきました。カリフォルニア南部で3D全波形地震波トモグラフィープロジェクトに参加したことがあるNCKUのEn-jui Lee教授は、限られた予算で、3D全波形地震波トモグラフィーシステムと地球科学のための高性能コンピューティングプラットフォームを台湾で構築しました。

    近年、GPUの処理能力は大幅に向上しています。CPUとGPUは、タスク処理に異なる戦略を利用します。約12個のコアを持つことが可能なCPUは、シーケンス処理の最適化に使用されます。一方、GPUは何千ものコアを持つことが可能で、複数のタスクを同時に並行して処理するのに優れています。人工知能とディープラーニングが急速に発展しているこの時代において、GPUは科学者がはるかに早く結果を達成するための効果的なツールになっています。

    En-jui Lee教授は、3D全波形地震トモグラフィーの目的は3つの側面に分割できると述べました。1つ目は、現在の3D速度モデルの分解能を改善するために使用されるフルウェーブフィールド波形解析および複数反復を行うシミュレーションです。2つ目は、地震の震源シミュレーションの速度と精度を向上させるための、保存されている高解像度モデルを使用したひずみテンソルの計算です。3つ目は、地震動解析の信頼性を向上させるための、より正確な地震動予測の適用です。



    ASUS RS720Q-E8サーバーは高性能2U4Nサーバーであり、このプロジェクトではメインとなるスーパーコンピューティングタスクを担当しています。2台のIntel ® Xeon ® E5-2650 v4プロセッサーと2台の16GB DDR4 RAMモジュールを10,000rpm SASハードドライブと組み合わせることで、高性能コンピューティングの要件を完全に満たすことができます。

    ASUS RS720Q-E8サーバーはQuad LAN機能をサポートしています。高いネットワーク帯域幅を提供でき、ロードバランシングとフォールトトレランス機能を備えているため、高速ネットワーク接続が可能です。

    さらに、このサーバーは1+1 770W 80Plus Gold冗長電源を使用しているため、HPCの信頼性に関する電力要件を満たすことができます。ホットスワップ可能な設計はサーバーをシャットダウンすることなく電源の保守および修理ができるため、重要なプロジェクトの運用を確実に行うことができます。